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星原昌一のかごしまぶらり歩き

第25回 寄り集う

十一月から十二月にかけて、地方の神主さんは忙しい。それぞれ担当の地区の集落で、氏神祭り行われるからだ。
日に多いときには午前、午後ともに予定表はいっぱいにつまっている。
個人の家の内神さまもあるし、小さな講での祭り、地区をあげての祭りと、所によってさまざま。
祭りの日には当番の家にそれぞれに自家製の野菜、米を持ち寄ってくる。庭先に作られたにわか作りのかまどの前で、女の人たちは野菜を洗い切る人、魚をこしらえる人、にわとりの料理にとりかかっている人と役割によって動いている。
男はワラをすごいてしめなわを編んだり、縄を練ったりと神事の準備。
近所、隣といっても、最近は働きに行っているせいか、久しぶりに顔を合わせる人も多い。 それだけに話がはずむ。
時間になると神主さんがやってきて、神様といっても他所の人が見るとただの石だが、土地の人たちには大切なご神体に、和紙で作られた着物が着せ替え収められ祝詞をあげる豊作を喜び、家内安全を祈願する。
その後は焼酎えを飲み交わし、にしめ、なます、赤飯と手作りの料理。
一年の終わりの大切な行事がすむと、いよいよ正月がやってくる。

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