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星原昌一のかごしまぶらり歩き

第32回 百合ヶ浜

鹿児島県は南北に六百キロ、南西諸島につながる長く島の列が続く。県の最南端は沖縄のすぐ手前、県境になる与論島。
サンゴ礁に囲まれた美しい島である。
上空から見ると白く砕ける波が島を囲み、その外側の海はコバルトブルー。中はエメラルドグリーンとまるで宝石のような島で、黒潮の流れに浮かぶ「東洋の真珠」と呼ばれていた。
昭和四十年代には、全国から若者が押し寄せてきていた。
「東京都与論島」と週刊誌などに書かれ、若者は水着姿にゴムぞうりをはいて島内を歩いていた。
なかでも若者に人気があったのが、大金久海岸から約1.5キロ離れた沖に、干潮のときに浮かび上がり波紋がしるされたクリーム色の砂浜。百合ヶ浜と呼ぶ。
サンゴから作られた星砂を見付けるのが人気だった。
多いときには人、人で砂浜が埋まるほどにも。
若者たちが、海外に遊びに行く時代。
しかし島の魅力はまだ衰えていない。

百合ヶ浜