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星原昌一のかごしまぶらり歩き

第35回 奄美大島の高倉

奄美大島と言えば、エメラルドグリーンの海、深い緑の森、そして農家の庭先に建つ高倉が旅の人の目に南島に来たと思いがする。

いまは高倉の独特の姿を見ることも少なくなり、南島の旅愁を感じさせるものが消えていく寂しさがある。

藁葺きの高床しきの建物は、南方民族の建築様式である。いまは南の島々でも竹で作ったバンプーハウスは、姿がきえていく。建築方式が便利さや簡単なプレハブ建築が導入され、面倒で長持ちしない建築は嫌われているのだろうか。

高倉でもそれと同様か、以前はネズミ害を防ぎ、強い太陽熱を遮るものであった。島の山にある大きなイジュを柱にして、三角の藁葺きの高倉を立てていた。

大和村のボレ(群)倉は中でも有名で、いまでも観光の名所となっている。
この写真は少し古く1971年に写したものだが、当時の生活が見えている。主婦の背負った籠(テル)は、野菜から通常の生活用品など、なんでも運ぶ便利な道具だった。

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