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星原昌一のかごしまぶらり歩き

第37回 寒に干す

十一月から二月にかけて薩摩半島、大隅半島の南端を行けば緑の葉を広げた大根葉が続く、南西の冷たい風が、強くなると大きな竹のやぐらがお目見えする。漬物用の大根の収穫である。
手で一本、一本ずつ引き抜いていたら腰の痛くなる作業も、最近は農機具の進化であっという間に白い大根が畑に並んでいく。粒ぞろいといおうか、見事に大きさも長さもそろって計ったような大根である。

漬物用の大根だけに、そろっていなければ商品価値がなくなるからだろうか、さすがに狂いもなく育った大根を見ると驚く。

抜いた大根はすぐに水洗いされて、2本ずつくくりやぐらに干されていく。約二週間も干されると、ちょうど漬物用になるくらいしなびてくる。このまま刻んで醤油をかけて食べてもうまい。
契約した漬物工場でそれぞれ美味しい漬物となり、出荷されていく。ずらりと大きな大根干しのやぐらは、冬の美味しい風物詩でさえある。

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