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星原昌一のかごしまぶらり歩き

第8回 ソラヨイ 十五夜行事その1

鹿児島県薩摩半島にある知覧町は、特攻基地があったことで全国に知られている。そこより南に下って約3キロ。中福良という集落にたどり着く。
毎年、十五夜の夜に月が上がると、地元小学校では「ソラヨイ」と呼ばれる郷土行事が行われる。
ワラで作った傘、蓑、袴を着けた子供達が輪になって「さあ、よいやんそーし、そらよい、そらよい、ヨイヨイ」と歌いながら、ワラで作られた大きな傘状の周りを回る。
「さあ」という掛け声で輪は止まり、相撲の四股を踏む。民芸研究家の小野重朗さんは、相撲儀式の原型になるものだという。
暗い校庭に異形の姿の子供達。その子供達のはやし歌には、幽玄の思いを抱く。
この子供達の姿は、山から降りてきた神であり、農産物の豊な実りを祈るものである。
「ソラヨイ」とは、作物の出来がよいという意味だそうだ。
十五夜行事の中でも、特に異色ある「ソラヨイ」。月光に浮かぶ子供達には、強く、忘れられない印象を残す。

ソラヨイ 十五夜行事その1