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星原昌一の西郷の足跡を歩く

第10回城山

明治10年(1877)9月24日午前3時55分、西南戦争の官軍による総攻撃が始まった。激しい銃撃、戦いの声、多くの人命が朝露に消えて、長かった西南戦争も幕を閉じた。
鹿児島市街地の真ん中に緑濃い山がどしっと座っている。東正面に海をまたいでもくもくと噴煙を吐き続ける桜島。展望台には世界から集まる観光客が終日絶えることはない。標高107メートルから眺める眺望は、すっきりと晴れた日にははるか南に開聞岳が顔を見せ、青く光る錦江湾、広がる町並みと飽きることはない。いまではこの美しい地で血なまぐさい戦いが繰り広げられたと思う人は少ない。
史跡・国の天然記念物に指定されている城山の山中には、珍しい亜熱帯の植物が生い茂っている。樹齢四百年とも五百年ともいわれるクスの大木が常緑の葉を広げ、キンモクセイの自生地でもあり,皮が自然にはげ、赤肌を見せ裸になるためにバクチノキの異名を持ち,切れば水がたらたらと流れ出るがためにショウベンノキもある。
城山は、探せば探すほどに多くの珍しい植物の宝庫である。今は遊歩道に、車道がとおっているが僅かに西郷が最後に過ごした洞窟などが、戦いの史跡として残されている。

城山
城山