上野公園に建つ銅像は、亡くなってから十四年後に、銅像建設の話があがり、資金は明治天皇も金一封があり約二万五千人からの寄付金があった。高村光雲の製作で明治31年12月18日に除幕式があった。
愛犬をひいて筒袖の着物に兵児帯姿、ぐっとにらんだ風貌は訪れる人を魅了する。以来、東京の名所となり今でも尋ね見物に来る人は絶えない。
城山を背に立つ軍服姿の西郷銅像は、昭和2年の西郷南洲翁五十年祭に企画された。鹿児島出身の彫刻家安藤照に依頼され、明治6年、千葉県習志野の陸軍大演習で日本初めての陸軍大将として総指揮をとったときの軍服姿である。
台石に使われたのは大隅半島現在の南大隅町根占の辺田石で、安藤が海岸にある丸く大きな石がごろごろとあり、西南の役勃発のときにも根占で西郷は狩をしていたなどの縁で選定された。約450個の巨石が 船で運ばれ据え付けられた。
据付庭園施設工事には延べ3万4000人の労力奉仕があり、根占からの礎石積み出しにも、大きいのは2万5000キロなど大小四百五十数個を地域住民の協力で行われた。いかに西郷を崇敬する人が多かったかが分かる。 このように多くの人たちの協力で、昭和12年5月に完成した。当時は桜島と対峙して、ぐっと日本を、鹿児島の将来を見据えていた。いまは残念ながら櫻島は、ビル影になり桜島の姿は見ることはできない。
国道10号脇に立つ西郷像 |
照明に浮かぶ西郷さん銅像 |
上野公園に立つ西郷さん |