鹿児島市の中央を流れる甲突川の畔、加治屋町(旧下加治屋町)の一角に楠の古木に囲まれて西郷隆盛誕生地の記念碑が建つ。明治22年2月22日に大赦によって、西郷に正三位が追贈されるのを待ってその翌日には建立された。
下加治屋町に西郷吉兵衛の長男として1827年(文政10年)2月7日に生まれた。誕生地は宅地百八十坪、家格は城下の士分としては、下から二番目である。現在、誕生地の道路をはさんで上の河畔散歩道の横に建てられた藁ぶきの家が、下級武士たちが住んでいた家を復元したものであり、このような家に西郷や、川の上流側にある大久保利通(誕生地)たちが住み、共に学び遊び育った地である。家はそれぞれに石垣、ホウライチクの竹垣に囲まれ、母屋や納屋の周りは畑にして野菜などを作っていた。
家格は御小姓組で士分としては下から二番目の最下級であり、家計は苦しく冬は一枚の布団を引っ張り合い眠ったという。
安政3年(1856)に借金の返済のために売却、上之園町に移り住むまでこの地に住んでいた。
西郷さん誕生地 (加治屋町) |
復元された西郷さん屋敷 (加治屋町) |