鹿児島と宮崎の一部には、豊作を祈り田んぼを見はらす畦道や、岡の上に田の神の石像が置かれいつも花が飾ってある。
県内には一千七百から二千ともいわれ田の神の数は、野にあるもの農家にあるもの、持ち回りと数えることができない。
野に置いた田の神とは別に、農家が集まった講があり毎年、田の神を持ち回り農家の床に飾って一年の安全、豊作を祈る地区も多い。
いまは新しい家には田の神を置く場所もなくなり、受け入れる家もなくなり公民館などに置いて置くところもある。
田の神講は春と秋に行うなど地域によって、季節の違いはある。
春に行う地域は四月、レンゲや菜の花が満開になり、新緑の光り輝くなかで行われる。毎年、決まった日に地域の公民館の集まりがあった後に、田の神に豊作を祈願してから新しい家に宿替えの行列が始まる。
少し焼酎の入った人たちによって担がれ、春の田園をゆらり、ゆらりと揺れて行く。鹿児島の農村でなければ見れない風景である。
2014年12月20日