あの暑さがしだいに薄れてくる。台風が例年になく続けて日本列島を襲ってきては、大きな被害を残しては去っていく。
そのたびに薄皮をはがすように、涼しさがやってくる。風で倒されている稲も多いが、しっかりと稲の穂は実りを知らせるように、重く頭を垂れてきている。もうすぐに稲刈りが始まるのではなかろうか。
田の畦(あぜ)に立つ「田の神」像は、にこやかに微笑んでいる。
南九州だけにある「田の神」その数は人によって諸説ある。「2000体はある。」「1800体ぐらい。」数える事が難しいほどの「田の神」が田園の畦道に、見下ろせる丘の上に、家の床の間にと座っている。豊作を願う農民達の思いを直に感じさせる。
「田の神」は地方によって、像の形、表情が違う。お二人が仲良い像は、串木野市から川内市など薩摩半島の西側で多くみられる。さまざまな形、お顔を見て歩くのも鹿児島の散歩の楽しみの一つ。
2014年12月20日